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2023年9月18日付 2949号

新型「eCanter」900台を全国で順次導入へ 群馬県高崎市で披露会 ヤマト運輸

(左から)デッペン社長と長尾社長

 ヤマト運輸は12日、三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)が今年3月にフルモデルチェンジした電気小型トラック(EV)「eCanter」の新型モデルについて、約900台を今月から全国で順次導入していくと発表。同日に群馬県高崎市のヤマト運輸高崎正観寺営業所で、ヤマト運輸の長尾裕社長、MFTBCのカール・デッペン社長らが出席して、披露会を開催した。

 ヤマトホールディングスは昨年5月、2050年の温室効果ガス(GHG)排出実質ゼロの大目標に向けて、30年にGHG排出量20年度比48%削減の中間目標を公表し、主要施策の一つにEV2万台の導入を掲げている。昨年8月には、日野自動車が開発した最大積載量1トンクラスのウォークスルー型EVトラック「日野デュトロEZ」の導入を開始、首都圏を中心に500台を導入した。

 今回導入する車両は、車両総重量5・87トン、最大積載量2トン、最高速度時速89キロメートル、1充電当たりの航続距離116キロメートル。普通充電でゼロから100%まで約8時間で、冷蔵・冷凍荷物にも対応している。ヤマト運輸の要望を元に、充電口を右側面後方に設けており(通常の充電口は右側面キャビン後ろ)、MFTBCではこれをオプション設定として採用した。ヤマト運輸の2トン車クラスのEV導入は初めてで、約900台の環境対応車発注は過去最大となる。

記事全文は電子版から。

西大阪支店を九州向けの中継輸送専用拠点に 2024年問題に対応 西濃運輸

 西濃運輸は11日、大阪府茨木市にある北大阪支店を中継輸送の専門店として10月1日に稼働させると発表した。輸送力強化や運行便の効率化を図ることで、2024年問題の解決の一助とする。
 現在北大阪支店では、担当するエリア(大阪市東淀川区・茨木市の一部、守口市)で集荷した荷物を全国へ発送し、全国から届いた荷物をエリア内へ届ける輸送用プラットホームを持つほか、JR貨物の大阪貨物ターミナルに近接しているという立地の良さにより、全国から九州宛ての荷物が持ち込まれ、鉄道輸送やトラックを使った中継輸送が行われる拠点となっている。
 10月からは、輸送力強化に向けて、北大阪支店が担当していた集配テリトリーを西濃運輸の豊中支店と摂津支店に移行し、九州向けの中継輸送を行う専門店として運用する。
 今後は、全国の事業所から九州宛ての荷物を受け入れ、幹線トラックと鉄道輸送を組み合わせた効率的な運行体制を構築することで、繁閑の物量波動にも柔軟に対応することができるようになる。
 また、現在よりも年間約6万7200トン程度の取扱量増加も可能になると試算しており、人手不足や車両不足、また2024年問題などで課題を抱える同業他社の九州宛ての荷物の受け入れも可能になる。
 セイノーHDでは、6月に発表した「中長期の経営の方向性」の中で、24年問題を見据え、オープン・パブリック・プラットフォーム(O.P.P)の概念のもと、サプライチェーン全体で、顧客やさまざまパートナーとの連携を強化し、チーム一丸となって「Green物流」を共創していくことを目指しており、西濃運輸北大阪支店の中継拠点としての活用も、こうした方針に基づく施策の一つ。

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウオッチ(148)『中国のサービス貿易を考察』
    ☆人物ウィークリー―全国通運連盟・松本年弘理事長

  • ☆全ト協、激変緩和措置延長などの燃料価格対策を自民党の萩生田政調会長らに要望
    ☆ロジスティード、10月1日付で国内連結子会社4社の吸収合併を実施へ
    ☆SBSリコーロジスティクス、2年に及ぶ試験運用・改良を経てフォロフライ製次世代型EV車両を導入
    ☆カンダHDが「第28回ダッシュ21」を開催、4357人が参加し過去最高規模に
    ☆交通労連トラック部会が今年度第1回中央委員会、新部会長に織田正弘部会長代行を選出
    ☆ヤマト運輸労組が定期大会、森下委員長「構造改革の進め方は会社と十分に協議」と強調
    ☆NXHD、グループ内で安心・安全な生成AIサービスを利用できる環境を整備
    ☆NX総研、倉庫内作業サービス「ろじたん」をウェアラブル端末に対応させて提供開始
    ☆西濃運輸、出荷人の売掛金を保証するサービス「売掛保証付きカンガルー便」の提供始める
    ☆西濃運輸、神戸市内の支店に太陽光発電設備を設置し電力の自社利用を開始
    ☆JR貨物の犬飼社長が会見、代替輸送が容易な「中距離帯」のニーズ取り込み強化の方針示す
    ☆SBS東芝ロジスティクス、新潟県柏崎市に信越エリア初の自社倉庫を竣工
    ☆JP楽天ロジスティクス、大阪府八尾市に「楽天フルフィルメントセンター八尾」を開設
    ☆国交省の永井啓文自動車局安全政策課長、急増する軽トラックの交通事故防止には「一定程度の規制強化が必要」
    ☆運輸労連東京都連の土屋亮新委員長、人とのつながりを重視しながら「加盟単組間の横の連携強化」との抱負語る
    ☆全NX商事労組が定期全国大会、吉川委員長「初任給の引き上げなどで全体の底上げを」
    ☆国際物流総合展2023、401社の最新機器とサービスが集結し活発なビジネス交流を展開

今週のユソー編集室

  • ▼物流専門紙の本紙でもEV関係の記事が毎週のように掲載されるようになってきた。
    ▼小型EVトラックでは、バッテリー容量も通常の集配業務には十分に耐えうるものとなっており、前号2面で紹介した経路充電などにより、運用面での幅も広がる。
    ▼充電設備は、自社の事業場内に設置する場合、機器の充電能力や台数、電力会社との契約などによってコストや運用面での制約が大きく変わるので、事業所ごとの特性を見極めたプランの策定が重要になる。
    ▼今後は、環境優良車普及機構などが行っているEV導入に関するコンサルティングなどをうまく活用しながら、中小事業者でもEVの導入が進むことを期待したい。

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